住宅取得等資金贈与の特例と、相続時精算課税の併用

ご質問

約1億円の新築マンションを親子共有名義で購入する場合についてご教示ください。
親から子に3,500万の資金援助予定で購入時期は2025年夏。50平米以上、省エネ等住宅です。
子・・・自己資金2,500万+住宅取得等資金1,000万+相続時精算課税2,500万=6,000万
親・・・自己資金4,000万
上記での購入は可能でしょうか?
またその場合の持分は、子6:親4となりますでしょうか?
今後、親の相続が発生した場合のリスクやデメリットも併せてご教示お願いいたします。
第一順位相続人は合計3名です。

ご回答

住宅取得等資金の贈与の特例と、相続時精算課税の特例は、併用が可能ですので、3,500万円(令和6年以降は相続時資産課税において暦年非課税贈与枠もあるため、3,610万円が限度額です)の贈与を受けることは可能です。
そのため、ご想定の資金繰りでの購入は可能であり、持分も記載されたとおり子6:親4です。
デメリットというより事実として、将来相続発生時の相続財産は今回のケースでは親持分4と精算課税分2,500万です。
精算課税を選択しない場合(資金額に変更なし)、将来相続発生時の相続財産は親持分6.5です。
相続発生時の不動産価格がいくらになるかという要因、相続人間で異議など生じないかの要因もあるので、一概にどちらが良いと決めることは難しいです。

ご質問2

相続時精算課税の特例を利用し、その後に子の持分を増やしていく方法はございますでしょうか?
贈与税2割を支払ってでも少しづつ増やしていければと考えておりますが。
また、この相続時精算課税を利用した場合、小規模宅地の特例を使えないとのことですが、別の相続資産であれば関係なく利用できるのでしょうか?

ご回答2

相続時精算課税の特例選択後は、2,500万円を超えた分(暦年110万円は除外して)の贈与は一律20%の贈与税を負担すれば、いつでも可能です。
小規模宅地の特例は、居住用の特例の適用を想定されていると思います。
この特例は、原則として被相続人と同居する相続人への適用を想定しているので、そういった状況でなければ居住用の特例の適用は不可能です。
居住用物件ではなく、貸付用不動産の特例を使用する場合は、それは(限度面積の範囲内で)適用可能です。